コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

連続自己申告が美的評価と感情反応に及ぼす影響 (Wagner et al., 2020, Poetics)

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こんにちは。じんぺーです!

論文が継続して読めないということで、この度、すだちさんの真似をして、論文の個人的まとめをブログにあげていくことにしました。詳しくはまた書きます。今日早速一個やってみます。

 

sudachi.hateblo.jp

 

この記事を参考にしています。

元の落合さんの方法は、

lafrenze.hatenablog.com

 

この記事にとてもわかり易くまとめてあり、参考になります!お二方有益な情報をありがとうございます!

 

早速今日の論文行きます。

 

連続自己申告が美的評価と感情反応に及ぼす影響 (Wagner et al., 2020, Poetics)

結論から言うと、詩歌を聴かせながら、美的な評価をさせ続けても、詩歌聴取後の評価、また、生理的な指標(ここでは、皮膚電気反応)には影響を与えないということを示した研究。

 

もう少し細かくまとめます。

 

背景 経験美学においては、主観報告は大事なデータ。 Art Lab等では、実際にイベントを作って、本当の観客のように観衆のデータを取ることが可能だが、その妥当性はどうか?

 

目的 美的受容の現在の好みを継続的に自己報告することが、美的体験に(実質的に)全く影響を与えないのか、否定的な妨害効果があるのか、あるいは肯定的な強化効果があるのか?を検討

 

方法

刺激 クルト・シュビッターズの音詩「Ursonate」の録音

参加者 65人(女性37人、男性25人、どちらでもない3人、M=34.8歳、SD=16.0)

デザイン CRタスク(ContinuousRating vs. ListeningOnly)を被験者間で操作し、アイズ条件(EyesOpen vs. EyesClosed)を被験者間→2*2

尺度 連続評価(好感度を評価,タッチスクリーン上にスケールを表示し、指の(絶対的な)位置をトレースする)Aesthemos (Schindler et al., 2017), SCR, 心拍

 

結果① 各動作の回顧的美的評価の解析では、多変量解析でも一変量解析でも、連続評価タスクに依存した有意差はなし

結果② SCRは、記述的にはContinuousRating群でより強い減少。しかし、時系列を比較する t 検定を実行したところ、わずかな有意差

 

結論 詩歌を聴かせながら、美的な評価をさせ続けても、詩歌聴取後の評価、また、生理的な指標(ここでは、皮膚電気反応)には影響を与えない

 

コメント ArtLabのような大掛かりな施設で行う研究は見ていて気持ちがいい。(やる方も楽しそう)連続的な評価をするかしないかが回顧的な評価に影響を与えないというのは、感情をトレースしたい自分にとっては、支えになる結果。

感情のトレース方法が色々あるんだなあと思った。自分はジョイスティックを使おうとしているけど、ダイヤルやスライダー(視覚的、直感的フィードバック)、2 本の指の間のスパンを評価尺度として使用するタイプ、今回のようにタッチスクリーン上にスケールを表示し、指の(絶対的な)位置をトレースするタイプと色々。

 

論文

Wagner, V, Scharinger, M, Knoop, C, & Menninghaus, W. (2020).  Effects of continuous self-reporting on aesthetic evaluation and emotional responses, Poetics, Online First.
https://doi.org/10.1016/j.poetic.2020.101497.