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曖昧性耐性測定の特質の証拠:The Multiple Stimulus Types Ambiguity Tolerance Scale-II (MSTAT-II) (MacLain, Psychological Reports ,2009)

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曖昧性耐性測定の特質の証拠:The Multiple Stimulus Types Ambiguity Tolerance Scale-II (MSTAT-II) (MacLain, Psychological Reports ,2009)

結論からいうと、曖昧さの許容度やその他の情報に関連した個人差が広く注目されているが、既存の曖昧さの許容度の尺度は概念的にばらつきがあり、心理測定的にも弱いことが多いため、新たに13項目からなる尺度(MSTAT-Ⅱ)を開発し、その信頼性と概念性を明らかにした研究。

 

背景

曖昧さの不寛容は、民族差別、ファシズム、独断主義、あるいは権威主義的人格という社会心理学的概念に結びついたその他の構成要素の複雑で価値観的な指標として理論化

→1962年には、Budnerが、構成要素の詳細な定義を発表し、対応する16項目の尺度を提供することによって、曖昧さ不寛容の研究に重要な進歩をもたらした(Budner, 1962)

→しかし、心理測定的な妥当性・信頼性が低い

→提案された尺度は、ほとんどの項目が、知覚された曖昧さに関連する刺激のタイプ(complexity、unfamiliarity、insolubility)のいずれかを参照しているため、Multiple Stimulus Types Ambiguity Tolerance Scale-II (MSTAT-II)と呼ばれている。これは、MSTAT-I(McLain, 1993)の22項目から13項目が派生したものである。

 

目的

MSTAT-Ⅱの妥当性・信頼性を3つの研究で検討する。

 

研究1

方法:学生542名 (M = 21.2歳、SD = 2.7歳、女性32%)

結果: 内部信頼性は高い(α = .83)。因子分析では3因子が同定。

 

研究2

参加者:121人の学部生(M = 22歳、女性74%)

尺度:2つの他の曖昧さ耐性の尺度(Budner, 1962; Macdnald, 1970)、Sensation seeking Scale (Zuckerman, 1984)、社会的望ましさ尺度 (Crowne&Marlowe, 1960)

結果:Budnerの尺度との相関低い(r = .09)が、彼の尺度に対する批判があるため、この結果はMSTATを損なわない。AT-20とMSTAT-IIのスコアとの間の相関は、高め(r = .41, p < .01)。MSTAT-IIとリスク志向も正の相関(r = .27, p < 0.01)、社会的望ましさ(r = 0.17)とも正の相関関係があるが、有意ではない。

 

研究3

参加者:ウィスコンシン州の 4 つのコミュニティに勤務する消防士・救急医療技術者207名(年齢=37.2歳、SD=7.9歳、男性187名)

尺度:Sensation Seeking Scale (MacCrimmon and Wehrung,1986)、知覚リスク尺度(McLain, 1995)、身体的緊張測定法(Latack, 1986)

結果:MSTAT-IIのスコアは、リスク志向、知覚リスク、知覚不確実性のためのスコアに正に関連。ストレスのスコアと負の相関。

 

総合考察

・信頼性の値はある代わりの測定を使用して見つけられたそれらより高く、それらは研究のスケールのために受諾可能と考えられる値。

・社会心理学以外の理論的な文脈の広い範囲で、曖昧さ耐性の有効な測定値を得るための以前の試みを前進させるもの。

・MSTAT-IIは、スペースが限られているか、または潜在的な再調査者の疲労の懸念がある調査に含めるための有望な尺度。

 

コメント

10年以上前に作成された曖昧性耐性の尺度で、今も広く使われているもの。信頼性が高いとは言えないが許容範囲ということで皆使っているが、やはりLauriora et al. (2016) の方が妥当性高いということがこれを読んで改めて分かった。しかし、考察でも書かれているように13項目の尺度はたしかに実用的でその利点はMAAS(30 or 21項目)にはないかな、と思った。

 

論文

McLain DL. (2009). Evidence of the properties of an ambiguity tolerance measure: the Multiple Stimulus Types Ambiguity Tolerance Scale-II (MSTAT-II). Psychological Report, 105, 975-988. https://doi.org/10.2466%2FPR0.105.3.975-988