コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

ポジティブな解釈トレーニング:メンタルイメージと言語トレーニングがポジティブな気分に与える効果 (Holmes et al., Behavior Therapy, 2006)

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みなさんこんにちは。

教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文読んでいきます!

前回の論文はこちら▽

 


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 同じグループの論文ですね。

 

さっそくいきます。

 

ポジティブな解釈トレーニング:メンタルイメージと言語トレーニングがポジティブな気分に与える効果 (Holmes et al., Behavior Therapy, 2006)

結論から言うと、参加者に、ポジティブな出来事を想像してもらうか、言語的意味を考えながら同じ説明を聞いてもらった結果、イメージ条件の参加者は、言語条件の参加者に比べて、ポジティブな感情の増加を報告し、新しい記述をよりポジティブなものと評価した。

 

背景

解釈トレーニングのパラダイムを用いて、同じ材料の言語処理よりもイメージの方が不安に大きな影響を与えることを発見した(Holmes & Mathews, 2005)

→ネガティブな材料のイメージと口頭での処理が異なる影響を与えるという知見は再現されていたが、ポジティブな材料には及ばなかった

 

目的

2つの仮説を検証:

(a)ポジティブ解釈トレーニングの後、イメージトレーニングを受けた参加者は、ポジティブな感情評価(PANAS)が言葉によるトレーニングを受けた参加者よりも増加し、不安感(STAI)が相補的に減少する

(b)曖昧なテストシナリオ(ポジティブにもネガティブにも解決可能)の感情評価を用いて評価した解釈バイアスは、ポジティブなイメージトレーニングを受けた参加者の方が、言葉によるポジティブなトレーニングを受けた参加者よりもポジティブになる

 

方法

参加者:参加者26名(女性17名、男性9名、M=38.85、SD=15.64)

材料:最初は結果が曖昧であったが、その後は一貫してポジティブな解決が得られるシナリオ100本

手続き:これらのポジティブな出来事を想像するか、口頭での意味を考えながら同じ説明を聞くように求められた

→STAIとPANASは訓練前、訓練直後、さらに10分間のフィラータスクの後に行われた

→2セットの曖昧なテストパラグラフ(1セットは潜在的に否定的な解決策があるもの、もう1セットは潜在的に肯定的な解決策があるもの)についての感情評価が、訓練前とフィラータスクの後に行われた(参加者は「この記述はどの程度感情的か」を1(非常に不快)から9(非常に快)9件法で評価)

 

結果

1.時間と条件の有意な交互作用 (F=(1, 24) = 7.36, p = 0.012, η2 = 0.24)

→言語訓練よりもイメージ訓練の方が不安の減少が大きいという我々の仮説と一致

2.不安と同様に、時間と条件の有意な交互作用 (F(1, 24) = 11.43、p = 0.002、η2 = 0.32)

→イメージトレーニングの後、言語トレーニングと比較してポジティブな感情がより大きく増加するという我々の仮説と一致

3.言語条件の感情評価は時間の経過とともに有意に減少した(すなわち、ポジティブさが低下した) (t(12) = 2.93, p = 0.013, d = 1.10)が、予想に反して、イメージ条件のスコアには有意な増加は見られなかった (t(12) = 0.80, p = 0.44)

 

コメント

昨日の論文の実験2の「ポジティブな出来事」イメージの研究をもう一度ちゃんとやった研究。先行研究と異なり、自分たちが欲しかった結果におおむねなっていそう。

心理学全体を通してもそうだけど、やっぱりネガティブなものの方がパワーがあって、しかも進化的にも説明がしやすくて、注目されがちだけど、こういったポジティブなものにも対応していくのは大事と思う。自分の研究も美的感情というくらいだから概ねポジティブな感情なので、こういった研究は参考にさせてもらいたい!

 

論文

Holmes, E. A., Mathews, A., Dalgleish, T., & Mackintosh, B. (2006). Positive interpretation training: Effects of mental imagery versus verbal training on positive mood. Behavior Therapy, 37, 237–247. 

 


https://doi.org/10.1016/j.beth.2006.02.002