コーヒー1杯の暖かさ

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音韻が意味を予測:スタンザにおけるフォルマント周波数と感情的トーンのクロスモーダル関係 (Auracher et al., Cognitive Sciences, 2020))

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みなさんこんにちは~

教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。昨日の論文はこちら▽

 

 

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さっそくいきます!

 

音韻が意味を予測:スタンザにおけるフォルマント周波数と感情的トーンのクロスモーダル関係 (Auracher et al., Cognitive Sciences, 2020))

結論から言うと、平均フォルマント分散が非常に高いスタンザはPotencyの項目で評価が低く、ActivityやEvaluationの項目で評価が高くなり、少なくとも詩的言語においては、母音の音響的特徴の極端な値は、文章の感情的なトーンの有意な予測因子であることがわかった。

 

背景

■異なる種類の音韻論的関係のために一貫して使用される用語はまだ存在しない

・音素の音響的特性と、大きい、速い、幸せなどの非音響的属性との間のクロスモーダルな関連を指定するために、サウンド・アイコニシティという用語を使用

■これまでの音のアイコニシティに関する研究のほとんどが、音韻論的な存在の証明に焦点を当ててきたのに対し、最近の研究では、その特定の領域、次元、機能を調査することに焦点が当てられている

■テキストの情緒的なトーンと特定の音素の相対的な出現との間に有意な関係があることが報告

 

目的

クロスモーダルな連想が書き言葉の知覚に果たす役割を検証し、かつ音素の音響的特徴とテキストの内容との関係を研究する

 

方法

参加者:43名(女性29名、男性10名、非公開4名)

刺激:詩的言語では音韻論的関係が特に一般的であると仮定して、ドイツの詩のスタンザを刺激として用いた

→8,031のスタンザは、Pythonライブラリepitran(Mortensen, Dalmia, & Littell, 2018)を使用して音韻を転写

→フォルマント分散が極めて高い、中程度、極めて低いスタンザを30ずつ計90用意

 

結果

■各次元の評価をアウトカム変数、平均フォルマント分散を予測変数、参加者ごとのランダム切片を用いて線形混合モデル

・スタンザの情緒的なトーンとフォルマント分散との関係は、有意だが効果は弱いことが示唆(Evaluation:B = 0.08, p < 0.01, R2 = 0.006; Potency:B = -0.22, p < 0.001, R2 = 0.051; Activity:B = -0.20、p < .001、R2 = .040)

→フォルマント分散と情緒音の間に統計的に有意な相関があるという仮定を支持しているが、相関によって説明される分散量(R2)は比較的小さく、母音の音響特性は主観的に知覚される情緒音に影響を与える多くの特徴のうちの一つに過ぎないことを示す

 

コメント

途中から置いていかれました…というよりマインドワンダリングし過ぎました…この手の音韻と感情の関係を検討した論文はいくつか読んできたのですが、それでもよくわからないことが多いです。。今回はフォルマント分散という初見の概念があったのですが、これがいまいち想像しにくくて、置いていかれた原因です。フォルマントとは「言葉を発してできる複数の周波数のピークのこと」らしいです。こちらのnote参照(

https://note.com/masatsumu/n/nd3304f337cae

)。もう少し勉強してからもう一度挑戦したいです。

 

論文

Auracher, J., Menninghaus, W. and Scharinger, M. (2020), Sound Predicts Meaning: Cross‐Modal Associations Between Formant Frequency and Emotional Tone in Stanzas. Cogn Sci, 44: e12906. https://doi.org/10.1111/cogs.12906