コーヒー1杯の暖かさ

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不確実性への不寛容の構成要素の妥当性と心配性との特異な関係の検討 (Buhr & Dugas, Journal of Anxiety Disorders, 2006)

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みなさんこんばんは。教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

昨日の論文はこちら▽

 

 

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不確実性への不寛容の構成要素の妥当性と心配性との特異な関係の検討 (Buhr & Dugas, Journal of Anxiety Disorders, 2006)

結論から言うと、心配性は曖昧性に対する不確実性の許容度よりも不確実性に対する不確実性の許容度との関連性が高いことが明らかになった。

 

背景

■心配事の分野における研究の進歩により、過剰な心配事の病因に関与している可能性のある構成要素を特定する多くの概念モデルが開発

・不確実性への不寛容が問題のある心配事の発生とその後の継続に根本的な役割を果たしている可能性が示唆されている

・不確実性への不寛容の構成要素の妥当性をさらに確立し、完璧主義や知覚的コントロールなどの心配に関連する他の認知過程を超えて、心配の理解へのユニークな貢献を実証するためには、さらなる研究が必要

■不確実性への不寛容と曖昧さへの不寛容の違いは、まだ実証的に確立されていない

・不確実性への不寛容と心配は、曖昧さへの不寛容、完璧主義、コントロールでは説明できない独特の関連性を共有すると予想

 

方法

参加者:コンコルディア大学の様々な学部課程で募集された197名(女性152名、男性45名、M=22.56歳)

尺度:

・不確実性の不寛容尺度(IUS;Freeston et al. Buhr & Dugas, 2002)

・曖昧さの不寛容性尺度 (TIA; Budner, 1962)

・Penn State Worry Questionnaire (PSWQ; Meyer, Miller, Metzger, & Borkovec, 1990)

・Multidimensional Perfectionism Scale (MPS; Hewitt & Flett, 1991):自己指向の完璧主義(SOP)、他人の期待を満たすために必要性を評価する社会的に処方された完璧主義(SPP)、および他の人の能力についての期待をタップする他指向の完璧主義(OOP)の3下位因子

・Sense of Control Scale (SC; Lachman & Weaver, 1998):個人的なマスタリー(PM)、知覚された制約(PC)

 

結果

■心配は、他志向的な完璧主義と知覚された優越感を除くすべての研究尺度と有意に相関した

・最も強い相関は、心配と不確実性への不寛容(r = .63, p < 0.001)

■すべての研究尺度(性別を含む)をコントロールした後も、不確実性への不寛容と心配は有意に関連していることが明らかになった(r = 0.45, p < 0.001)

・不確実性の許容度をコントロールした場合、心配と他のすべての研究変数との間の相関は、自己指向の完璧主義を除いて、有意ではなかった

 

コメント

サンプル数もそんなに多くないし、やっていることも超シンプルだけど、不確実性への不寛容と曖昧性への不寛容が似ているけど非なるものということがとてもくっきりと表現されていて、それだけでおもしろいなあと思った。統制した相関や、重回帰などとてもシンプルな分析だけど、発見の面白さだけで1論文なっていて理想的。

 

論文

Buhr K, & Dugas MJ. (2006). Investigating the construct validity of intolerance of uncertainty and its unique relationship to worry. Journal of Anxiety Disorders. 20, 222–236.