コーヒー1杯の暖かさ

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五面性マインドフルネス質問票の日本語版の開発と検証 (Sugiura et al., Mindfulness, 2012)

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みなさんこんばんは。

教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。昨日の論文はこちら▽

 

 

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さっそくいきます!

五面性マインドフルネス質問票の日本語版の開発と検証 (Sugiura et al., Mindfulness, 2012)

結論から言うと、本尺度の本来の5つの因子構造(観察する、記述する、意識して行動する、判断しない、反応しない)が支持された、さらに、マインドフルネスの2次因子が5つの特定因子のうち4つに関連しており、階層的な因子構造が見出された。

 

背景

■マインドフルネスの2つの要素 (Bishop et al., 2004)

・注意の調節(例えば、持続的な方法で注意を払い、経験の非創造的な意識)

・経験への指向(例えば、好奇心と受容)

■多くの研究者は、マインドフルネスが形質と状態変数の両方として概念化できることに同意するだろう (Brown and Ryan 2003)

■マインドフルネスが一次元または多次元の構成要素であるかどうかについては、いくつかの議論があった

・Cognitive and Affective Mindfulness Scale-Revised (CAMS-R; Feldman et al. 2007)とFreiburg Mindfulness Inventory (FMI; Walach et al. 2006)には4つの因子があるが、因子間の相互相関が高いため、両著者は合計スコアの使用を推奨している

・Brown and Ryan (2003, 2004) は、マインドフルネスは、現在進行中の経験の認識を反映する単一の次元を用いて測定するのが最善であると結論

→Baer et al. (2006) は、既存のマインドフルネスの5つの尺度の共同因子分析を行った (MAAS、KIMS、CAMS、FMI、およびマインドフルネス質問票)

・5つの因子のうち4つはKIMSの4つのサブスケールに対応していたが、非反応性は例外

・これらの因子は互いに中程度の相関があり、関連しているが、それにもかかわらず異なる次元であることを示す

 

目的

日本語版FFMQを開発し、大規模な学生サンプルを用いてその心理測定特性(因子構造、内部整合性、構成要素の妥当性)を予備的に検討する

 

方法

参加者:

サンプル1(n = 193)は、FFMQの日本語訳の予備版を完成

サンプル 2(n=541)とサンプル 3(n=615)は最終版を完成

尺度:

・Five Facet Mindfulness Questionnaire (Baer et al. 2006)

・Acceptance and Action Questionnaire (Bond et al. 2011)

・Effortful Control (Rothbart et al. 2000)

・Meta-Cognitions Questionnaire Short Form (Wells and Cartwright-Hatton 2004)
・Refraining from Catastrophic Thinking scale (Sugiura 2007; Sugiura and Umaoka 2003)

・Toronto Alexithymia Scale (Bagby et al. 1994)

・Affective Control Scale (Williams et al. 1997)

・Beck Depression Inventory-II (Beck et al. 1996)

・Personality Diagnostic Questionnaire-Revised (PDQ-R; Hyler and Rieder 1987)

 

結果

■サンプル2のデータから5つの因子 (非判断、記述、意識して行動する、観察、非反応性)

・FFMQの合計スコア(α = 0.80)と5つのサブスケールスコア(αs = 0.67-0.85)

■2つのサンプル(日本・アメリカ大学生)の平均点は、5つのマインドフルネスのうち4つのファセットで有意に異なっていたが、意識を持って行動することActing with awarenessは例外

・Christopherら(2009)の結果と一部一致:彼らは、タイ人学生とアメリカ人学生のKIMSのスコアを比較した結果、タイ人学生は観察と受容(非裁定)のスコアが低いが、意識を持って行動するスコアが高いことを明らかにした

■マインドフルネスのファセットは、適応特性のレベルが高いほど、不適応特性のレベルが低いほど、正の関係にあった

 

コメント

尺度翻訳の論文を英語で書き、さらに新しい発見を加えて、貴重な研究になっている印象。アメリカのデータと比較するのがよいなあと思った(どうやってるんだろう~)。

 

論文

Sugiura, Y., Sato, A., Ito, Y., & Murakami, H. (2012). Development and Validation of the Japanese Version of the Five Facet Mindfulness Questionnaire. Mindfulness 3, 85–94. https://doi.org/10.1007/s12671-011-0082-1