コーヒー1杯の暖かさ

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分析的思考の予測因子としての曖昧さへの態度 (van Zyl, South African Journal of Psychology, 2020)

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みなさんこんにちは。

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分析的思考の予測因子としての曖昧さへの態度 (van Zyl, South African Journal of Psychology, 2020)

結論から言うと、MAASスケールの構成要素の1つである道徳的絶対主義は、認知反射テストと信念バイアスの測定値の両方のスコアのロバストな予測因子であることがわかった。

 

背景

■認知のデュアルプロセス理論は、人間の思考の特徴である、関連する状況で分析的思考に関与することができないことを理解するための最も包括的な理論的枠組みを提供してきた

・一般的にタイプIとタイプIIと呼ばれる2つの質的に異なるタイプの認知処理を前提

・タイプIのある特徴はワーキングメモリから比較的独立している速く、自律的な、非意識的な、および平行処理を含んでいる。タイプIIの典型的な特徴には、ワーキングメモリに依存した遅い、連続的、連想的、意識的な処理が含まれる

・思考特性はII型処理の特別な構成要素を表す

■「何が私たちを思考させるのかをまだ知らない」という事実を、現在デュアルプロセス理論が直面している最も顕著な課題

・分析的思考を予測する思考傾向の例としては、Need for Cognition (Cacioppo et al., 1996)、Actively Open-minded Thinking (Baron, 1985, 1993; Stanovich & West, 1998)、Need for Closure (Webster & Kruglanski, 1994)、Master Rationality Motive (Stanovich et al., 2016)など

■曖昧さは生活の一部であり、完全に回避することはできないので、それを管理するための良い方法と悪い方法があるのは間違いない

 

目的

曖昧さに対する個人の態度が分析的思考の結果の予測因子であるという仮説を実証的に検証する

 

方法

参加者:313人(年齢は18~77歳(M=29.31歳、SD=12.19歳)、女性は64.5%)

尺度

・MAAS21項目

・CRT

・Belief bias syllogisms

分析

・3より大きいベイズ因子は代替仮説(中程度の証拠)を支持し、10より大きいベイズ因子は強い証拠とみなされる

・1未満は帰無仮説を支持し、1から3の間は、どちらにしても明確な証拠がない逸話とみなされる

 

結果

・ベイズのモデル比較の結果。道徳的絶対主義が両方の分析課題で唯一意味のある予測因子であることを示唆

・CRTの分散の9.6% (モデル1.1)とBelief Bias (モデル2.1)の14.2%を占め、曖昧さに対する不快感と複雑さと新規性の必要性を取り除くと、それぞれ9.4% (モデル1.3)と12.9% (モデル2.3)に減少しただけであった

 

コメント

昨日の論文と違ってこちらは、MAASと認知課題の関係を検討していて、一安心している。MAはなかなか目立たないFactorだと思っていたけど、そんなことはなくて、あいまいさへの態度の認知的な側面を十分反映しているんだなあと思った。統計に詳しそうな著者の方で、ちらっと書いていた「有向非周期グラフ(DAG; Hernán & Robin, 2019; Pearl, 2009; Pearl & MacKenzie, 2018; potential outcomes frameworkも参照のこと)を利用した因果同定戦略」も気になるところ。(難しそう)

 

論文

van Zyl, C. J. (2020). Attitude to ambiguity as a predictor of analytic thinking. South African Journal of Psychology. https://doi.org/10.1177/0081246320953715