コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

文化と地位関連行動:非対称ダイアドにおける相互作用の日米の認識(Kowner, & Wiseman, Cross-Cultural Research, 2003)

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みなさんこんにちは。

微かに混じり合う教育と心理学とアートについて発信していますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

 

先日研究室の先輩にブログ見た、と言われほんと恥ずかしい気持ちだったのですが、こんな研究一筋できず、うろちょろしている自分を応援して頂いてありがたい限りなんですよね…

 

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文化と地位関連行動:非対称ダイアドにおける相互作用の日米の認識(Kowner, & Wiseman, Cross-Cultural Research, 2003)

背景

■ヒト以外の霊長類の社会的地位の表示は、ヒトにはないいくつかの合図(例:支配的な嗅覚マーキング、背中に曲がった尻尾、マウンティング)で構成されており、他の多くの合図(例:支配的な直接凝視、眉毛の上げ方)と一致しているが、ヒトに見られる多くの微妙な言葉の合図を見逃している

■ステータスと文化は交互作用する

・集団主義・個人主義:集団主義社会では、地位のような公共的な特徴が自己の中で重要な役割を果たしているのに対し、個人主義社会では、この役割は能力や感情のような内的・私的な特徴によって想定されていることを示唆

・堅さと緩さ:文化が行動規範からの逸脱をどの程度許容しているかを示すもう一つの重要な次元

・高-低コンテクスト連続体:高コンテクストのコミュニケーションでは、情報の大部分は文脈の中に存在し、コミュニケーションをしている人の中に内在しているか、物理的な文脈の中に存在しているのに対し、低文脈コミュニケーションでは、情報のほとんどは明示的なコード

▶したがって、高コンテクスト・コミュニケーションでは、非対称的な地位にある人々の間の談話の内容よりも、非言語的なコミュニケーションによる地位表示の方が重視されることになる

 

目的

異なる文化圏のメンバーが、2人のコミュニケーション相手のステータスの発散が彼らの言語行動と非言語行動に与える影響をどのように認識しているかを検討

 

方法

参加者:日本人学部生109名(女性64名、男性45名、平均年齢±SD=21.4±2.5歳)と、アメリカ人学部生168名(女性96名、男性72名、平均年齢±SD=23.6±6.6歳)

デザイン:2つの独立変数(105の行動尺度を用いて、参加者の地位の低い人と高い人の評価を測定・文化の種類)

手続き

・身分の高い人が身分の低い人と交流する場面(企業の上司と部下、学校の先生と生徒など)をいくつか想像してもらい、その中で、身分の高い人が身分の低い人と交流する場面を同時に評価してもらった

・その後、105の行動尺度でこれらの2つの相互作用当事者のそれぞれを同時に評価するように求められ、その後、高い地位の人と低い地位の人とのコミュニケーションに対する自分自身の態度を同時に評価するように求められた

 

結果

 

・攻撃性の次元では、ステータス(F(1/537)=257.1、p < 0.001、η2 = 0.324)、文化(F([1/537]=3.9、p < 0.05、η2 = 0.007)、交互作用が有意差

▶日本の低ステータスの人は他の3つのコホート(平均=2.91)よりも有意に攻撃性が低いと認識されているのに対し、日本の高ステータスの人は有意に攻撃性が高いと認識されている

・ロジカル/非情動性の項目では、F(1/546)=719.2,p < 0.001,η2 = 0.569で有意差が認められたが、この項目では文化による差は認められなかった

 

コメント

文化と地位ごとに105項目の質問紙をそれぞれ因子分析する過程とか、必要なんだろうけど、冗長で読むのがしんどかった(ここに書くのもだいぶ端折ってしまった)。結果の最後の1~7のまとめを見れば、結果を追うのにはOKな気がする。

 

論文

Kowner, R., & Wiseman, R. (2003). Culture and Status-Related Behavior: Japanese and American Perceptions of Interaction in Asymmetric Dyads. Cross-Cultural Research, 37(2), 178–210. https://doi.org/10.1177/1069397103037002002