コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

ドラマ映画は全体論的思考者と分析的思考者の脳を異なる形で活性化する(Bacha-Trams et al., Social Cognitive and Affective Neuroscience, 2018)

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みなさんこんにちは!

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

 

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ドラマ映画は全体論的思考者と分析的思考者の脳を異なる形で活性化する(Bacha-Trams et al., Social Cognitive and Affective Neuroscience, 2018)

アブストラクト

異なる文化で社会生活を送っている人は、その思考スタイルに違いがある。東洋文化圏の人は文脈を考慮して全体的にものを見るのに対し、西洋文化圏の人は文脈を無視して分析的にものを見ると言われている。

ここでは、同じ文化圏に住む、異なる思考スタイルを持つ参加者が、ドラマ映画を見たときに、脳活動に差が出るかどうかを調べた。自己報告式の質問票のスコアに基づいて全体論的思考者と分析的思考者に分けられたフィンランド人の参加者26人が、機能的磁気共鳴画像の中で短縮されたドラマ映画を鑑賞した。

全体論的思考者と分析的思考者の脳内血行動態の被験者間相関(ISC)を、映画鑑賞の間で比較した。全体論的思考の参加者は、分析的思考の参加者よりも広範な皮質領域で有意なISCを示し、映画をより類似した方法で知覚していることが示唆された。全体論的志向論者では、後頭葉、前頭葉、側頭葉で有意に高いISCが観察された。分析的思考者では、右半球の楔状回、側頭頭頂接合部、前頭葉皮質で有意なISCが観察された。

これらの結果は、同じような文化的背景を持つ参加者で得られたものであるため、他の可能な文化的差異による交絡の可能性は低いと考えられる。今回の結果は、同じドラマ映画を見たときに、全体論的な参加者と分析的な参加者の脳活動がどのように異なるかを示しています。

論文

M. Bacha-Trams, Y.I. Alexandrov, E. Broman, E. Glerean, M. Kauppila, J. Kauttonen, E. Ryyppö, M. Sams, I.P. Jääskeläinen. (2018). A drama movie activates brains of holistic and analytical thinkers differentially, Social Cognitive and Affective Neuroscience,13, pp. 1293-1304.