コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

心の中の美:美しさの鑑賞は、知覚の促進と注意の増幅と相関する(Sarasso et al., Neuropsychologia, 2020)

f:id:jin428:20210331212049j:plain

みなさんこんにちは!

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

 

 

www.jinpe.biz

 

心の中の美:美しさの鑑賞は、知覚の促進と注意の増幅と相関する(Sarasso et al., Neuropsychologia, 2020)

 

ハイライト

・自然に近い空間統計を持つ抽象的な絵がより評価される。

・鑑賞性の高い抽象画に埋め込まれたターゲットは、より早く検出される。

・美的感覚の判断は、注意関連誘発電位の振幅と相関する。

・知覚学習のERP指標は、より評価の高い絵で強化される。

・α事象関連脱同期は、評価の高い絵ほど増加する。

 

概要

神経美学の研究では、美的鑑賞は対象物の知覚的特徴と知覚者の感覚処理のダイナミクスとの相互作用から生じることが示唆されている。本研究では、美的鑑賞と注意の変調との関係を、行動学的および心理生理学的なレベルで調べた。

最初の実験では、58名の健常者が、多かれ少なかれ自然な空間周波数を含む抽象的な刺激を用いて視覚探索課題を行い、その後、画像の美的評価を求められた。その結果、より評価の高い刺激の方が応答時間が速いことが明らかになった。

次に,同じ刺激を与えている間の視覚誘発電位(VEP)を記録した結果、評価の高い画像の場合にのみ、C1、N1、P3、N4のVEP成分が増強されることがわかった。さらに、より評価の高い画像では、注意に関連した後頭葉のα同期解除が増加することがわかった。

これらのデータは、美的鑑賞と知覚処理の向上との間に、行動レベルおよび神経生理学的レベルでの相関関係が存在することを示していると解釈している。

 

論文

Sarasso, P., Ronga, I., Kobau, P., Bosso, T., Artusio, I., Ricci, R., & Neppi-Modona, M. (2020). Beauty in mind: Aesthetic appreciation correlates with perceptual facilitation and attentional amplification, Neuropsychologia, 136.
https://doi.org/10.1016/j.neuropsychologia.2019.107282.