コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

ヒト脳における5-HT1A受容体と5-HTTの局所的共発現に関するPET研究(Lundberg et al., Psychopharmacology, 2007)

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みなさんこんにちは。

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

 

 

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ヒト脳における5-HT1A受容体と5-HTTの局所的共発現に関するPET研究(Lundberg et al., Psychopharmacology, 2007)

 

背景

■Gタンパク質共役型受容体は、ヒトの脳内で広い解剖学的分布を持ち、視床下部の神経核、辺縁系構造、新皮質に最も集中 (Hoyer et al. 1986; Verge et al. 1986)

・5-HT1Aサブタイプは、セロトニン作動性投射領域のシナプス後受容体である一方、背側菜状核(DRN)の細胞体上にシナプス前に位置しており、これまでに同定された唯一の5-HT-受容体サブタイプ

・これらの自己受容体は、投射領域における細胞の発火を抑制し、その結果、セロトニンの放出を媒介することから、瀬棚の5-HT1A受容体は、セロトニン作動性の一般的な調節に役割

■セロトニントランスポーター

・5-HTTタンパク質は、5-HTニューロン上にのみ発現し、シナプス間隙における5-HT濃度を制御

・菜状核の細胞体および神経末端に高濃度に存在することから、セロトニン神経伝達の制御において中心的な役割を担う5-HT1A受容体と同様の立場にあると考えられる

■この2つのタンパク質は、精神薬理学において中心的な関心事

・5-HTTは、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の標的であり、うつ病や不安障害の治療に効果がある

・5-HT1A受容体は、不安障害で処方される部分作動薬ブスピロンの標的であり、興味深いことに、5-HT1A受容体部分作動薬ピンドロールは、SSRIの抗うつ効果の発現を促進する

▶SSRI治療の急性効果は、raphe nucleiにおける5-HT濃度の増加と、5-HT1A受容体を介した5-HT神経伝達の減少

・S対立遺伝子の保有者は、5-HT1A受容体密度が低い

・領域としては、両方のマーカーが5-HTニューロンに発現しているDRNと、5-HTTがシナプス前に、5-HT1A受容体がシナプス後に発現している投射領域の前頭皮質と海馬複合体を選択

 

方法

■参加者:22~55歳の男性12名

■5-HT1A受容体と5-HTTをそれぞれ[11C]WAY 100635と[11C]MADAMという放射性リガンドを用いてPET検査

 

結果

■WAY 100635(1A)を注射した後、最も高い放射能が見られたのは海馬複合体であり、次いで前頭葉皮質、瀬状核、小脳

・MADAMを投与した場合、最も放射能が高かったのは瀬状核であり、次いで海馬複合体、前頭皮質、小脳

■前頭葉では、[11C]MADAMと[11C]WAY 100635の結合に関するBPとの間に有意な相関は見られなかった(r xy = -0.25, p = 0.44; Fig.3a)

・海馬複合体(r xy = 0.97, p < 0.001; Fig.3b)と瀬状核(r xy = 0.68, p < 0.05; Fig.3c)では、[11C]MADAMのBPと[11C]WAY 100635の間に正の相関が見られた

 

コメント

mRNAとかシナプス前後のこととか体系立てて勉強したさがすごい。生物取ってるひとはこういうこと分かってるんかな…

 

論文

Lundberg, J., Borg, J., Halldin, C., & Farde, L. (2007). A PET study on regional coexpression of 5-HT1A receptors and 5-HTT in the human brain. Psychopharmacology, 195(3), 425–433. https://doi.org/10.1007/s00213-007-0928-3