コーヒー1杯の暖かさ

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会話の間、ギャップ、オーバーラップ(Heldner & Edlund, Journal of Phonetics, 2010)

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みなさんこんにちは!

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

  

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 さっそくいきます!

 

会話の間、ギャップ、オーバーラップ(Heldner & Edlund, Journal of Phonetics, 2010)

 

背景

■会話分析やインタラクション言語学

・「人間のターンテイキングは非常に正確なので、次の話者はギャップもオーバーラップもない状態でスタートする傾向がある」(Sacks, Schegloff, & Jefferson, 1974)という、よく引用される主張(no-gap-no-overlap)

・Sacksら(1974)は、会話における音響的沈黙を、pause、gaps、lapsesの3種類に分類

▶この分類は、会話の中で沈黙の前後に何があったかと、沈黙の長さの認識に基づく

・ポーズはターン内の沈黙、ギャップはターン間の短い沈黙、または完了可能なポイント(TRP)での沈黙、ラプスはターン間の長い(または長い)沈黙を意味

■ターンテイキング理論

・次の話者が話し始めるタイミングをどのように知るかを具体的に説明

1.Sacksらによって最初に提案されたprojection理論:次の話者が構造的・文脈的情報に基づいて現在の話者がいつ終わるかを予測し、予測されたターンエンディングで話し始めるというもの

2.反応・信号理論:現在の話者が終了した、あるいは終了しそうだという信号に直接反応して次の話者が話し始める

・沈黙の直前の韻律やその他の音響的なターンテイキングシグナルは、そのようなシグナルに反応する時間がないため、何の関連性もない

・ギャップの長さに関する言語の違いは小さいと考えられている

 

方法

 ■オランダ語、スウェーデン語、スコットランド英語という3つの異なる言語の音声素材を、3つの異なるコーパスから取り出した

・オランダデータ:女性177人、男性144人、合計321人(話者は234組で、そのうち132組は対面での会話、102組は電話での会話)

・スコットランド英語:64人の話者(女性32人、男性32人)がデータに含まれている

 ・スウェーデン語:女性5人、男性3人の計8人の話者が含まれている

 

結果

■オーバーラップ、ギャップ、およびすべての話者間間隔の分布は、対称性と正規性から大きく逸脱している

■-10msから10msの範囲の話者間間隔という厳密な意味でのno-gap-no-overlapは、明らかに最も頻繁なタイプの話者間間隔ではなく、非常に稀なタイプの話者間間隔であることがわかった

・話者間の間隔の55-59%が、目立たないギャップかオーバーラップである

・オーバーラップは、私たちの素材の中で、すべての話者間の間隔の約40%を占める

■ターンテイキングのタイミングは、よく言われているほど正確ではない

 

コメント

専門外の論文でちょっと読みにくかった。先生に送ってもらったので、必要となればもう一度読みたい。

 

論文

Heldner, M., & Edlund, J. (2010). Pauses, gaps and overlaps in conversations. Journal of Phonetics, 38(4), 555–568. https://doi.org/10.1016/j.wocn.2010.08.002