コーヒー1杯の暖かさ

心理学を研究する大学院生が、研究もそこそこちゃんとやりながら、日本の教育に一石を投じます。

CG-Art:芸術的創造性の人間中心的バイアスを解明する(Arriagada, Connection Science, 2020)

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みなさんこんにちは!

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

  

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CG-Art:芸術的創造性の人間中心的バイアスを解明する(Arriagada, Connection Science, 2020)

ポイント

■CGアートの創造性、限界、目標

・計算創造性はAIの中のサブフィールドとして確立(Toivanen et al.、2019)

・創造性とは何かを理解するためには、ある程度の数学的モデル化が必要なため、このテーマは議論され続けている

・Margaret Boden (2011) の創造性の定義「新しい、驚くべき、価値のあるアイデアやアーティファクトを思いつく能力」

▶創造性とは、一般的には、新しさ、驚き、価値を含むもの

・創造的アルゴリズムを分析する際に最も議論を呼ぶのは、まさにこの定義の「価値」の側面である

・少なくともアルゴリズムが斬新で驚きに満ちた囲碁のプレーを生み出すことができるという主張は、もはや不合理ではない

▶しかし、これは芸術的な創造と同質のものなのか?機械の創造物に対する美的評価はどうなるのか?

■芸術的創造性を説明できるのは、神秘的なインスピレーションだけか?

・アートやインスピレーションの概念は、科学技術の領域を超えた特別で原始的なものとして、神秘的な言葉で語られることが多い:"魂 "を持っているのは人間だけだから、人間だけがアートを生み出す

・CGアートは人間のアートとは違う

・CG-Artの最も議論されるべき特徴は、その美的価値であると仮定する

・CG-Artに否定的なバイアス(Chamberlain et al., 2018)

・予想通り、CG-Artが塑像的に表現されている作品は、抽象的な作品よりも人工的であると評価された

・Chamberlainら(2018)は、CG-Artの美的価値に対するこのようなネガティブな偏見は、観察者が作品の制作過程を見ることができると薄まることを検証

▶これは人間の脳内のミラーニューロンが活性化された結果ではないかと推測

・CAN:基本的に、アルゴリズムは人間のアートスタイルをエミュレートすることだけに特化したものではなく、本当にクリエイティブなものになるように最適化された

▶CANが作成したCGアートに人間が高いスコアを付け、2016年のアートバーゼル展で初公開された抽象表現主義のサンプルを上回ることが分かった

▶ブラインドテストでは、CG-Artは人間にとって美的価値があると仮定

■CG-Artの美的価値の機械的評価

・創造的なシステムは、少なくとも3つの要素を持つアーキテクチャを含んでいなければならない:生成器、識別器、そして「システムがこのシステム内部のフィードバックを使って自身の制約を修正するメタレベルの制御層」

▶CANベースのシステムの場合、この条件は常に満たされている

■社会性

・Hertzmann(2018)がCG-Artに対して行っている最後の批判は、アートは社会的なものであり、コンピュータは「社会的エージェント」ではないので、アートを生み出すことはできないというもの

▶私の考えでは、コンピュータが社会的な存在ではないからアートを作れないと結論づけることはできない

・楽観的に考えて、CG-Artに使われているビッグデータが拡張されるのを待っていれば、人間には考えられないような美的な作品が出てくるのではないかと推測

 

コメント

AIアートの創造性をエネルギッシュに提案した論文。新しさ、驚き、価値という定義をもとにAIアートは人間の芸術ではないが、創造性の基準を満たしているという。ブラインドテストの結果はまだ再現されていないので、微妙かもしれぬけど。

 

論文

Arriagada, L. (2020). CG-Art: demystifying the anthropocentric bias of artistic creativity. Connection Science, 32(4), 398–405. https://doi.org/10.1080/09540091.2020.1741514